中野区うつ回復日記

東京中野区で、うつ回復しながら父親になる男の雑なエッセイ

夢日記 学園祭乱入大量殺人事件

夢をみた。

 

鉄筋コンクリートの高層マンションに囲まれた中庭状のスペース。その一区画全体が学校のキャンパスである。

 

私は今の妻とそのマンションの一室で同棲しているらしい。だからたぶんその学校は妻と出会った大学なのかもしれないが、実際の私の出身校とはキャンパスの様子はまるで異なる。そもそもマンションなんてなかったし、そんな所に住んでもいなかったから、たぶん色んな記憶の混ざった幻影であろう。

 

その日は学園祭だった。

中庭では出店が立ち並び、様々な催しがされている。

隣接したマンションの一室に住んでいる私は、窓からその様子を見下ろしていた。

 

中庭におりてみると、さながら縁日、というより台湾の夜市のような様相だ。提灯とLEDが吊るされており煌々と明るい。飛び交う言葉も日本語ではなく意味はわからないが、とにかく活気のあることは伝わってくる。妻とそこを巡り歩いた。

 

祭りの後、夜市の屋台は店じまい。祭りの後の静寂が訪れようとしていた。

そんな時に、奴が現れた。

 

奴は悲痛な絶叫を上げながら、キャンパスに殴り込んできた。直感的に感じる。奴はこの幸せなキャンパスライフを妬んでいるのだ。入試におちた腹いせなのかもしれない。ともかく凄まじい殺気を感じた。

 

なにか強力な鈍器を持っているようで、奴は中庭で暴れ、殴られた人々の血が流れた。

私はその様子を、マンションの自室から見下ろしていた。誰かが『警察を呼べ!』と叫ぶのが聞こえて、即座にスマホで緊急通報をした。

数秒と経たないうちにパトカーのサイレンが四方八方から聞こえて来る。レスポンスが早くていい。これで助かると思った。

 

刹那、奴は私の部屋にいた。

どうやって上ってきたかは分からない。奴の姿もおぼろげで黒ずんでおり、人間かどうかもよく分からないが、どうやら得物が圧縮バットらしいことだけは分かった。

 

奴が妻に向けてバットを振りかぶったので、とっさに体を入れてかばい、左手で上段受けしようとしたが、バットは上腕にめり込み、僥骨の砕けるのを感じた。

こっちは丸腰である以上、致命的な負傷だと思った。

 

もう一撃くらって昏倒した。妻が危ない。パトカーは階下に到着したようだが、警官が部屋に来るのはとても間に合わないだろう。

 

薄れゆく意識の中、私と妻がみるみる白骨化し、朽ち果てていくのを見た。

なんだこれは。まるで未来惑星ザルドスのラストシーンである。まあいいか。私はショーン・コネリーで、妻はシャーロット・ランプリングというわけだから悪くはないか。

 

いや、良いわけが無い。

あの映画のような悔いのない人生などではなかった。あんな奴にやられる終わるなどごめんだ。

 

そして目が覚めた。まだ夜明け前だ。

悪夢ではあるが、真に迫ったタイプではなく、厚いゴムに覆われたようなぐにゃっとした感触の夢だった。

左手に嫌な肌触りだけが残ったようで、振り払うのに時間がかかった。